投稿:白身ちゃん / 担当地区:東胆振・日高管内 / 2024.9月作成
北海道肥料ホームページをご覧の皆様、こんにちは。
東胆振・日高管内を担当しております、白身ちゃんと申します。
早いもので今年も稲の収穫シーズンとなりましたが、先日新ひだか町静内地区にて、今となっては非常に貴重な光景を目にすることができました。
それは、収穫後の稲の「はさがけ」と呼ばれる工程です。
コンバインが広く普及している現在では、コンバインを使って刈り取り・脱穀の後、乾燥機によって乾燥させるのが一般的です。一方で、バインダーという機械で刈り取った後、稲の束を圃場で天日干しにて自然乾燥させるというのが、コンバイン普及前の昔ながらの方法です。
この天日干しの際に、木材を使って高さ2mほどの「稲架(はさ)」を組み、そこに稲の束を掛け約1か月かけて自然乾燥させる、この乾燥作業を「はさがけ」と呼ぶのです。
昔はどの農家でも行っていたこの作業ですが、コンバインの普及と同時に目にすることが少なくなり、私自身初めて見る光景でした。
収穫が終わった後の開けた圃場に構える稲架の存在感には圧倒されるものがあり、思わず足を止めてしまうほどでした。
今回、静内でこの光景が見られる最後の一軒である生産者さん、谷山さんにお話を伺うことができました。
昔ながらの景観を守り続けることは、地域の方からも応援されており、また、自然乾燥させた米には他にはない食味の良さもあるそうで、味良し、景観良しの谷山さんの米の収穫を毎年楽しみにしているファンの方も多くいるとのこと。
手間も時間もかかる昔ながらの方法を続けることは簡単なことではないですが、地域の方、ファンの方が喜ぶ声が嬉しくて、また期待に応えたくてこれまで続けてきたのだそうです。
また、その熱意もさることながら、何より谷山さんご自身も米作りが好きだと仰っていたのが一番印象的でした。
そんな谷山さんのお米には、弊社肥料「水稲686」を中心に使用頂いており、圃場によりチッソ量の異なる肥料を使い分けています。
弊社では、高窒素タイプの「Dd778」「Dd708」から定番の「水稲666」「ワイドユース450」まで、水稲向け肥料を各種そろえております。生産者様の要望に合わせて各圃場に最適な肥料の提案をさせて頂きます。
こだわりの米作りに関して快くお話を聞かせて頂いた谷山さんですが、残念ながら今年で水稲の作付けは最後になるとのこと。数年前よりシカの食害が酷く、コストに見合う収穫量が確保できなくなってきたのだそうです。これにはなんとも言えない悔しさがあります。
日本で農業が永く続いていくように、肥料を通じて農家さんのお役に立つことを目指してこれからも活動して参ります。