投稿:サンモリッツ / 担当地区:西胆振・函館管内 / 2022.11月
皆さん、こんにちは。西胆振・函館管内を担当していますサンモリッツです!
北海道のダイナミックな農業に毎日驚いています。
今回は、足を延ばして後志地区のDd708を使用している秋まき小麦の圃場の調査に行きました。
秋まき小麦は、越冬前の生育の確保が重要となりますが、過繁茂となってしまっても、病気になりやすくなったり、倒伏の原因にもなったりすることから、過不足のない適正な生育を確保することが重要で、さらには強い分げつや頑健茎を確保することがポイントとなると思います。
近年は秋の気温が高く推移していることや干ばつ、過湿など極端な天候にも影響され、秋まき小麦の年内生育のコントロールが非常に難しく、多くの生産者さんは気象条件や播種時期に合わせて播種量を調整するなどの工夫をしていますが、不安定な天候の影響を受けて、栽培に苦労している事例も多いのではないかと思います。
播種後に干ばつ傾向となることも多いので、乾燥を恐れて播種深度を深めに設定している場合もありますが、小麦の初期生育としては、播種深度も大きな影響を及ぼし、播種深度が深いことで、二段根が発生し、充実した分げつが確保できないこともあります。
写真の右の株、左の株ともに二段根が発生しており、播種深度がやや深かったことが考えられます。今作では播種時期が適正であり、秋の気温の低下も遅かったので、播種深度がやや深くても茎数は確保できていました。
ただ、左の株と右の株に違いが感じられると思います。左の株はDd708を使用し元肥を重視した施肥方法の株で、右の株は慣行栽培の株です。Dd708の株は地上部の生育が旺盛に推移しており、何よりも分げつが充実し、頑健茎が多く、根張りも良好でありました。
同じ播種深度でも肥料の違いによって、Dd708の株は地上部や地下部が充実させることができており、今後の生育に注目していきたいと思います。
圃場でひとやすみ中のサンモリッツでした。