投稿者:土壌学校一年生 / 担当地区:東胆振・日高 / 2022.5月
土壌のはなし②(全13回)
こんにちは、東胆振と日高を担当している土壌学校1年生です。
第2回は、「土壌」とは、なんでしょう?という問いについて、第1回よりも具体的な答えのひとつを紹介したいと思います。
一般社団法人日本土壌肥料学会の資料には、
“土壌とは、地球の陸地表面または浅い水の下にあり、岩石の風化や水、風などによる運搬、堆積と生物が作用し、有機物と無機物が組み合わさり、自然に構成されたものである”(※) と記載されています。
“風化”という言葉が出てきました。土壌の生成において“風化”は重要な過程のひとつです。“風化”とは位置が(大きくは)変わることなく変化する作用で、例えば温度の変化や水の状態変化は物理的風化作用としてはたらきます。温度の変化などで岩石に生じたヒビに雨水が入りこみ、その雨水が凍結すると体積の増加によってヒビは少しずつ大きくなって、やがて砕けます。そのようにして岩石は細粒化され、様々な作用を受けて土壌へと変化していくのです。
さて、今年は担当管内雪が多い年でした。融雪に苦労する一方で、しばれ(凍れ)(=土壌凍結)は小さかったでしょう。
積雪の圃場、ミクロの世界における物理的風化も小さかったのでしょうか
今回の写真は秋播小麦の起生期の様子です。見事な立ち上がり、まさに起生期といった様子です。土壌のしばれ(凍れ)が小さかったので、きっと根も活発に動いていることでしょう。
※<引用>日本土壌肥料学会(2010)私たちの研究対象とする土壌と土(中間まとめ)
http://jssspn.jp/file/tuchinoteigiv2.pdf,2022年4月13日引用