Soil Dr. Report(ソイドク)Vol.6 北海道肥料株式会社

現場通信
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Soil Dr. Report(ソイドク)Vol.6

現場通信【ソイドク】について:ソイドクとは、ソイル(土壌)、ドクター(医師)の略です。
一般財団法人日本土壌協会の資格認定された土壌医(土壌医1級)の立場で北海道の生産者やその関係者に、旬な栽培技術情報や役立つ有益な情報を発信いたします!

投稿者:西の横綱 / 技術普及部土壌医 / 2022.12月

◆微生物資材に期待する効果は?
生産者の方を訪問した際にバチルス、納豆菌、乳酸菌、菌根菌などの微生物資材を使っていたり、使いたいと興味を持っている方に出会う機会が増えてきました。
微生物資材といえば、主に①病害の抑制、②有機物の分解促進、③土壌改良、④生育向上が期待される効果になりますが、皆さんはどの効果を重視しますか?
一見、①と③の期待が大きいように思いましたが、実際には④の生育向上を期待するという意見が多くありましたので、今回は④の生育向上について考えてみたいと思います。     

◆微生物資材の効果確認試験
ハクサイで基肥時に生育促進効果のある微生物資材Aを土壌施用した試験圃場になります。写真の右側が微生物資材を施用した処理区、左側がコントロールになりますが、外観上及び調査データともに差がなく、効果は判然としません。生育差が生じなかった要因として考えられることはなんでしょうか?微生物も人間と同じように生きるために酸素と餌や住処となる有機物が必要になり、当然温度も関係します。

当試験圃場は作土が浅く根圏が狭かったこと、有機物が少ない土壌で施用した微生物の餌と住処が不足していたこと、また初期生育時は気温も高く、過度な干ばつ条件で微生物が機能するために過酷な条件であったことなど複数の原因が考えられました。

生育向上を目的として①土壌有機物の分解による栄養分の補給、②微生物が分泌するアミノ酸、植物ホルモン、酵素、③微生物叢の改善など微生物資材の効果を最大限発揮するためには土壌環境、施肥のタイミングなど十分に考える必要がありますので、特に地力が低い圃場、有機物の少ない土壌では微生物資材だけでなく他の有機物をしっかり併用することをお勧めします。

◆当社のおすすめ肥料
・フルミン (通気性、排水性向上と微生物の住処として)

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